或るチューヅマの一生。
車とバイクのエンジン音、人々の声、屋台の食べ物の匂い。
…突然爆発する赤ちゃんの泣き声。
現在私は駐在員の妻、いわゆる「駐妻」として、タイのバンコクで0歳児を育てています。
第一回目はちょっとした自己紹介と、駐在員家族という立場について書きます。
会社ごとの規定にもよりますが、駐在員家族の多くは赴任国で就労できません。
そういうわけで、現在の私の職業は「専業主婦」ということになるのですが、今に至るまでは様々な職歴?を重ねてきました。
大学を卒業して一旦普通に就職したものの、演劇活動のため退職しフリーターになります。
紆余曲折を経て再び正社員として就職。
会社都合で仕事内容を決められるのでなく好きなことを専門にするため退職し、派遣社員になります。
その後結婚・妊娠し、主人の海外赴任に伴い仕事を辞めてタイまで来ました。
正社員、アルバイター、派遣社員、専業主婦と、直線的なキャリアの築き方とは程遠い人生を歩んできましたが、色々な立場からものを見ることができ、加えて希少な経験ができたとポジティブに捉えています。
この経歴だからこそ言える意見があるのではないか。
そう思っていますが、働き方やキャリア形成については、記事を改めることとします。
さて、現在は「子育て駐妻」という立場です。
ようやく開き直りつつありますが、最初の頃は「無職である」ことへの罪悪感、自分は無価値だと思う感覚に苦しめられました。
出産・子育てがあっても苦しんだのだから、なければもっと酷かったと思います。
人間の価値が生産性や収入で決まるとは決して思っていません。
ただ、これまで働いて自分で稼いだお金で生活するのが当たり前だったので、自分の意思で帯同(駐在する家族に付いていくこと)を選んだとはいえ、専業主婦の感覚になじめなかったのです…。
「駐妻」というと、働かないで海外に住めるラッキーな存在、という側面は確かにあるんですが、今の女性の多くは幼い頃から働き続けるのが当たり前、という価値観のもとに育っているから、「専業主婦」が苦しい人って多いんじゃないかな?
きっと皆、「何かやりたい」って思うんでしょうね。
バンコクは日本人が大量にいるため(本当、犬も歩けばレベルで)、日本人コミュニティーが充実しており、それには駐在員家族等のボランティアによって成り立っているものも少なくありません。
多くの人がボランティアをやったり、ブログで有益な情報を発信したり、もしくは帰国後に備えてスキル磨きをしたり、それぞれの形で家庭以外にやりがいのあることを見出しています。
仕事を辞めて駐在に帯同する場合、強制的なキャリアリセットになるわけですが、
・新しいことを始め、新たにコミュニティーに飛び込んでいくことに抵抗がなくなるメリットがある。
・自分の工夫次第で何でも実現できる。
今ではそう思っています。
さて、自分の経歴にこれから何を加えていけるかな♪
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※ちなみに「駐妻」と「駐在員家族」は意図的に使い分けています。「駐妻」は通称、いわゆる〇〇、という意味で。「駐妻」という言葉にはネガティブなニュアンスが込められることもありますし、男が働いて女が付いて行く、という構図でなくてもいいのですから。